606.余裕ない顔が見たい

趣ある、二人サイズの露天風呂。
先生は窮屈そうに膝を曲げて、少し抱き寄せるように私の背中に手を添えて言う。

「狭っ」

二人で入ると確かに狭くて、体も密着してて、熱くて。
だから、こんなにキスしたら、もっと熱くなってのぼせてしまうんじゃないかと思った。

先生は唇で私の言葉を塞ぎながら、私のいろんなところに触れていく。

私は、我慢できずにキスをやめて先生からちょっと逃げた。
今みたいに触れられ続けられたら、お色気露天風呂になってしまう。


すると、先生は露天風呂の縁に腕を乗せて、にやっと笑った。
おもろがってる?

ほぼ私から迫ってたから、先生がちょっとがっついた感じになると慌ててしまう。
先生から来てくれたらむしろ嬉しいのに、経験値が少ないために、いつもと違う状況ではどうしていいかわからなかった。

私の狼狽をよそに、先生は全く動じてない顔。

「あっつー。もう上がろうか」

「うん…」

あんなにエロいことしておきながら普通の態度ってすごいな。
妙な悔しさを覚えながら、先生のあとを追ってお風呂を出た。


湯上がりは浴衣に着替える。
羽織ったものの、やっぱりどっちが前かわからなくて、先に着替え終わっていた先生に聞いた。

「なー。これどっちが前やったっけ」

「ああ…貸してみ」

先生は立ち上がると、前に立って私の浴衣を整えた。
前来た時と違って、先生は私に簡単に触れるし、浴衣の帯も余裕で結んでくれる。
それでまた、なんか、ドキドキしてしまう。

…うーん。

私はここに来て、いっぱいドキドキしてるのに、先生は何でそんなに余裕あるん?


「はい完成。買ってきたケーキ食わん?」

「……」

旅館に来る前に二人で選んだケーキ二つを出そうと、先生が座って荷物を探ってる。
浴衣姿の似合う大きい背中を見てたら、抱きしめたくなってきて。


「私…ケーキはあとでいい」

私も畳に膝をついて、先生を後ろから抱きしめた。
私と同じぐらい、ドキドキしてくれたらいいのに。



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