588.そんなにかっこよくない

こんな私の気持ち、先生はめんどくさいやろな。
私が先生を大好きで、ひとりじめしたくてすねてる気持ちなんて、30歳からすると、おなかいっぱいで胸やけするんかもしれへん。

切れた携帯を見てると、後ろから鮎ちゃんに首根っこをつかまれる。


「ぎゃっ」

「みなみ、暗い!仲直りできんかったん?」

「うん…なんか先生も大したことない感じにしようとするし」

「ホンマに大したことなかったからちゃうん」

「でも…」


うじうじする私の背中をパーンと叩く鮎ちゃん。
皐月ちゃんは心配そうにしている。


「みなみ。今日はためいき禁止や。今日何の日やと思とんねん」

「……すいません」

「あとな。ホンマに言うとくけど、葉山そんなにかっこよくないから心配せんでいい」

鮎ちゃんが、真剣な目で言うから吹き出した。
そんなに真剣な顔でかっこよくないって言われたら、妬いてる私の立場ない。


無理矢理励まされるような感じで、音を切った携帯をバッグに突っ込んで女子トーク再開。

その後皐月ちゃんが限界を迎えて寝落ちてしまったので、私と鮎ちゃんもベッドに入った。


「いつか、こんなところ来たいなぁー」って、鮎ちゃんが天井見ながらつぶやく。

寝返りをうって鮎ちゃんを見ると、鮎ちゃんも寝返りをうって、私に笑う。

いつか、好きな人と。っていう意味かな。


「来れるよ。鮎ちゃんモテるのに」

「好きな人と来たい」

「来れるって」

「来れるかな」

鮎ちゃんは、誰かを思うような顔で布団にもぐる。


ナカムーも、私はそんなにかっこいいとは思わんけど。
鮎ちゃんには、この世で一番素敵な人なんやろな。



鮎ちゃんも寝てしまった後、バッグから携帯を取り出した。

『明日、仕事終わったら会いに行くわ』って先生からメールが入っていた。

いつも、平日には会わないのに。
じーんと胸が熱くなる。


呆れられてなくてよかった。




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