586.女子会ナイト

モヤモヤをひた隠しにして、プチフールと大人の飲み物を嗜みながら、夜は更ける。

それぞれの恋バナを聞き、盛り上がったりしんみりしたり、キャッキャ騒ぎながら日付が変わろうとした時、携帯が鳴った。

「………」

携帯を見てるだけで出ない私に、鮎ちゃんが「出ーへんなら音切って」と迷惑そうに言う。
ごもっともです。

「……出ーへん。出てもどうせ、酔ってるやろうし」

「葉山飲みに行ってたん?さっき電話したんちゃうん」

鮎ちゃんが大人の飲み物のプルタブを開けて、紙コップに注ぐ。

「わあー、みなみちゃんがちょっと先生と話してるとこ聞いてみたいなあ」

皐月ちゃんも両手を合わせて笑っている。


「……でも、ケンカ始めるかも」

「へ?何で?」

モヤモヤのひた隠し、ここで終了。
非日常の空間マジックなのか、結局ぺろっと二人に話してしまう。

「さっきな。間違ってかけてきたんかしらんけど、なんかざわざわしてて、女の人の声聞こえてきて、先生の笑い声も聞こえてきて、むかつくねんもん」

「そうやったんや。えー、でも葉山浮気するかなぁ。そんな甲斐性ないやろ」

鮎ちゃんにさらっと先生を貶められながら、浮気というワードがひっかかる。

「浮気なんかされたらもう私別れる……」

「えー、でも葉山やで?モテへんやろ。ちょっと女子校マジックでかっこよく見えただけで」

いや、それはナカムーにも言えるやろ、と反論する前に皐月ちゃんも会話に加わった。

「そんなことないよ、葉山先生私もいいなって思うよ」

どこまでも先生を蔑む鮎ちゃんへ、皐月ちゃんからのフォローも入る中、今度は私の携帯に先生からメールが入った。


『電話くれた?出れんくてごめん。卒業旅行楽しんでな。』

ベッドの上で、その文面を三人で見る。

「出れんくてごめんって、何で電話出れんかったのか知りたいところやな」

鮎ちゃんの言葉に、皐月ちゃんと頷く。
その瞬間、携帯が鮎ちゃんの手に渡る。

「聞こ。聞いとこ」

鮎ちゃんは軽妙な手つきで、あっと言う間に先生の番号を表示させて、受話器のマークを押した。

みんなの前で先生に電話って、怒られそう!
すぐに叱られる場面を想像してしまうのは、もはや条件反射かもしれん。


「あ、もしもし。すいません、みなみじゃなくて。そう。相方。そう。あははは」

電話に出た先生、鮎ちゃんと話し出す。
ちょっと漏れてる先生の声も明るく、怒られることはなさそうでほっとする。

隣にいた皐月ちゃんが、「みなみちゃんと先生、ホンマにつきあってるんやなぁ…」と嬉しそうに笑ってくれた。




にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ

  恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛
  恋愛ブログ 秘密の恋愛