583.卒業旅行

春休み。
皐月ちゃんが本命の大学に合格した後、ささやかながら卒業旅行?に行った。

メンバーは、私、皐月ちゃん、鮎ちゃん。

皐月ちゃんの家が厳しいのもあって、遠出はできなかったけど、ぐーたらな私には近場がちょうど良かった。長い旅行は苦手。

近場のちょっといいホテルに三人で、一泊だけのお泊まり。


「卒業旅行の最終日のホテルに似てる」

「ほんまやな~。あの部屋よかったよなぁ」

部屋に入ってはキャッキャして、お食事を食べてはキャッキャして、女子三人でワイワイ話しながら、夜を迎える。

「温泉あれば最高やのにな~」

と言いながら鮎ちゃんがベッドにダイブ。

「まあ、それは部屋のお風呂で我慢して」と嗜める私。

「あ、そうや今度スーパー銭湯行こう。三人で。車で迎えに行くわ。免許取れたらやけど」

春休み、教習所に通い出した鮎ちゃん。
皐月ちゃんが嬉しそうに両手を合わせている。

「楽しそう!でも、スーパー銭湯って何?」

「お嬢、行ったことないんやな。あれやん、温泉的なやつ」

「楽しいで~」

この春からみんなそれぞれ進む道は違うけど、当たり前のように友情は続くと思っているのが伝わってきて、嬉しかった。


「さー、一人ずつ恋バナしゃべってって。私は今日は聞き役に徹するから」

鮎ちゃんの仕切りで夜が始まる。

「鮎ちゃんの進行雑やねん」

と言うと、皐月ちゃんが笑っていた。


皐月ちゃんとリクは、久しぶりに連絡を取ったらしい。
やり直したいって言われたけど、その答えは次会った時にするらしい。

皐月ちゃんの表情を見ていたら、どんな答えを出すのかはわかる。


「リクD大受かったし、皐月のパパママも前よりは認めてくれるんちゃうん?」

鮎ちゃんの言葉に、皐月ちゃんが柔らかく微笑んで可愛い。

「うん……前より、私もちょっと大人になったような気もするし…。自信がなくて、不安ばっかりやったけど、もしかしたら、不安で見えてなかったこともあったのかなって…」

小首を傾げながら語る皐月ちゃんを見ていると、儚げさに溜息が出る。

「はあー、こんなかわいい子彼女やったら、男子も毎日楽しいやろな」

オッサンのような意見を出す私に、鮎ちゃんも深く頷き、何か思いついたような顔に変わった。

「呼んだら来るんちゃう?リク」

え。ここに?

皐月ちゃんと顔を見合わせる。




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