578.キスの続き

「……ぶぇっくしょぇい!!」

「うわあ、もう台無し」

「はあ、マスクマスク。車戻ろか」

「はぁい」

指先を絡ませるようにして手をつないで、元来た道路を戻っていく。

先生は、車に乗るまでに何度かくしゃみをぶちかましながら、車内のティッシュを取り出し、鼻に詰めていた。

スーツ姿はすごくかっこいいのに、(よく言えば)飾らない先生。


しかし、キスとかこれで終わりなん?
もうちょっといちゃいちゃはしないのかな。

鼻ティッシュ中の先生をじっと見ると、「え。何」と怪訝そう。


「チューとかは…」

「お前、今の俺の惨状見えてへんのか」

「見えてます」

「見えてるのにか。恐ろしい奴やな」


先生は笑ってたけど、自分のことしか考えてなくてすいません。
だってあんなに優しいキスされたら、これで終わるのはもったいない気がして…。



近くのドラッグストアに寄った。
先生はマスクとか、薬とか、いろいろ買ってて、私は入口でぼんやりとそれを待っていて。
飲み物だけ、先生が持ってるカゴに入れた。


入口近辺には、トイレットペーパーや、洗剤とか山積みにされている。

こういう生活用品とか、カート押して先生と一緒に買いたかったな。

せめて家族は裏切らないように、誠意を示すためって納得したつもりやけど、やっぱり一緒に住みたかったなぁ。


「お待たせ」

先生が買い物袋を提げてレジから歩いてきた。
飲み物が入っている袋を受け取って、一緒に駐車場まで歩く。

「私、こういうところでカート押して先生と買い物したかった」

「え?やればよかったのに、今」

そらそうですよね。でもちょっと違う。


「じゃあ、今度やります……」

「あ、でも今日はこれ買ってたから、俺ひとりでよかったんちゃうかな」

と、先生は再生紙っぽい紙袋を指差す。


「これ、なに?」

「まあ、後でな」


後。


車に乗り込んで、先生がマスクマンに変身。
袋の中に入ってる紙袋を取り出してみると、とある長方形の紙箱、エチケットグッズ12個入り。


「タカノリさん、そんな気分じゃないんじゃなかったっけ」

と、運転するマスクマンに言うと、

「こっちは全力でお前に合わせとんねん」と、嫌そうな顔で言う。


「ふふ。ありがとう…」

わがままばっかりで、ごめん。
キスの続きができるように、考えてくれてありがとう。先生。


みなみです。
だいぶ遅いですが、あけましておめでとうございます!
やっと、やっと、続きが更新できましたー。
今年もよろしくお願いします♡
みなさまにとって、ハッピーな一年となりますよう、お祈りしています(^O^)




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