571.最後のさようなら

学校に先生がいる。

卒業式にいるなんて。



でも、角度が悪くて全然見えない。
よそみばっかりもできないし、結局先生を見ることはできないまま式を終えた。
ドラマのように、素敵にうまくはいかない。



卒業。あんまり実感ない。
薄情ですが、先生が辞めてしまう時のほうが断然寂しかった。

これが終わったら、先生とちゃんとした恋人になれる。
そういう思いのほうが強かった。


「僕からのはなむけの言葉は、『人を見る目を培え!』です。君ら、変な男に騙されんようにな。社会に出ても、人間を見る目は大事です。とくに男な」

という、担任スーさんの最後の言葉。
変な男て~とみんな笑っていたけど、あながち外れてなかったアドバイスじゃないかと、社会に出てから思った。


「それでは、最後の……きりーつ。礼」


さようなら、と教室にみんなの声が響く。




高校生活、最後のさようなら。





「みなみちゃん、写真撮ろう」

廊下に出て、皐月ちゃんやさっちんなど、お世話になった子たちと写真を撮った。
国公立組が受験終わったら、みんなで集まろうって約束して。


先生を探したいけど、こんな人ごみじゃ無理と思われる。
それに鮎ちゃん、一緒に帰ろうって言ってたけど、大丈夫かなぁ…。
この大混雑の中で会える?

「とりあえず外出る?」
って、皐月ちゃんと一緒に校舎から出て。

みんな、思い思いに写真撮ったり、先生方としゃべったり。


「あっ、矢野ちゃーん!」

矢野ちゃんを発見して、写真をお願いしてパシャリ。


「川田さん、合格してよかったねぇ、ほんまに。がんばってな」

矢野ちゃんの瞳が潤んでいて、つられた。
人が泣いてるのを見るともう。

「矢野先生、葉山先生来てますよね?」

皐月ちゃんが尋ねたら、「来てはるよ~。職員室ちゃうかなぁ」と教えてくれた。
職員室……この人の波戻って上あがるのキツいな。


「皐月!」

「あ、ママ」

皐月ちゃんのお母さん。そこで皐月ちゃんと別れた。


「みっちゃ~ん。ここやで~」

両親が門の前で待っていた。一緒に鮎ちゃんのご両親もいた。



「卒業おめでとう~」

門の前で、両親に挟まれて写真をパシャリ。
先生に会うのは諦めて、鮎ちゃんを待つことにした。




にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ

  恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛
  恋愛ブログ 秘密の恋愛