566.エロいデート

「……おーっ」

私の姿を見つけた鮎ちゃんは、真っ赤な目で手を上げる。
大きな瞳が潤んで、それもかわいいけど…。


「この前会ったばっかりやのにな。みなみはデートしてんの。葉山と」

「さっき先生んちから帰ってきてん」

「家か………あんたら、エロいデートしてるなぁ」

確かにエロいことしかしてないので言い返せない。



コンビニに入りお菓子など買い込んで、家まで。
鮎ちゃんのブーツのヒールの音と、私のスニーカーの足音。

星も出ていない、うっすらグレーの空。
これが、私たちの育った街の空。

私が見上げてたら、鮎ちゃんも空を見た。


「…先生の家から、星めっちゃ見えんねん」

「あー、あそこ緑多そうやしなぁ」

「鮎ちゃんも来てな」

「おっ。一緒に住むん?」

いいえ…未定です。



「葉山にチョコあげへんかったん?」

「うん…」

「絶対待ってたで。今度は忘れずにあげなー」

「そうやなぁ」


自分からは、ナカムーの話を聞き出せなくて。
先生の話につきあってくれる鮎ちゃんと会話しながら、家に着く。

「おじゃましま~す」

「あがってー」


ドアを開けて、玄関で鮎ちゃんがブーツを脱いでいる。

……ん?
この革靴…。

すると、キッチンからどたどたと足音が聞こえてきた。


「みなみ!春休みは忙しいから無理や!」

えっ、えっ?
まさか、先生の挨拶の話?

「もうっ、その話は後にして!鮎ちゃん来てるから!」

「お、おじゃまします」

鮎ちゃんの姿を見た途端、眉間のしわがとれる父。
後から母が駆け寄ってきた。

「もう、お父さん、みっともない。鮎ちゃん、ゆっくりしてってね~」

「ははは、ゆっくりしていきなさい」


小さいときから、半家族ぐるみのおつきあいであるおかげで、鮎ちゃんは無事迎え入れられた。

階段上がってる最中、お父さんが「鮎ちゃんはべっぴんやな~。みなみと違って…」と母に言っているのが聞こえてきた。

「ほんまお父さん何なん…」

「まあまあ。おっちゃんもおばちゃんも変わらんなぁ」


部屋に着いた。
お菓子とジュースをテーブルに置いたら、鮎ちゃんがバッグからちっちゃい包みを出した。

「みなみにチョコ。修史にあげたのと同じやけどー」

鮎ちゃんらしい、かっこいいブランドチョコ…。

「いいの?」

「買う時、みなみにもあげよーっと思ったから」

「ありがとう!一緒に食べよ!」


受験のことばっかりで、その後熱出して、すっかり忘れてたバレンタイン。
鮎ちゃんの気持ちが嬉しかった。



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