559.めんどくさい人

私からもぎゅっと抱きしめたら、少しよろめいた先生の背中が壁についた。
先生の胸で思いっきり深呼吸して、今一緒にいる実感を噛みしめる。

先生の手のひらが、頭の後ろに触れる。
先生は、私の頭を包みこむように撫で続ける。
頭を撫でられてるだけなのに、全部が包みこまれてるような感じがする。

そして、顔が見えない状態でもう一度先生に言う。


「……先生と一緒に住みたい」


まだ言うか、って笑うかな…。
お前は~、って小突かれるかな。

先生は、何か考えるようにしながら、私の頭を撫で続けた。
あまりに沈黙が長いから、不審に思って見上げたら、困った顔で唇を尖がらせて見下ろしていて、ついつい笑ってしまった。

「変な答え出したら、みっちゃんまた怒らしてしまうんかなと思ったら言葉が見つからん……」と先生はバツが悪そうにしている。

「それは先生が、いつも理屈っぽいこと言うから…。先生の気持ちが知りたいのに、あかんとか、無理とか、そんなんばっかりで…」

「え?気持ち伝わってないの?これだけ一緒にいるのに?」

先生は、心底驚いてるような顔をしている。
その顔を見て私も驚き、ふたりで笑い合う。


そして、優しく抱き寄せられて、「めんどくさいやつやなぁ」と囁かれる。


全然甘いセリフではないのに、「めんどくさいやつ」呼ばわりが、愛に満ち溢れているように思えた。


「一緒に住んだら、俺いろいろうるさいかもしれんで」

「うん。なんかわかる。門限作ったりしそう」

「ははは…」

否定しないあたり、門限作る気やな。
「先生もめんどくさいタイプやもんな」と言ったら、それも否定しなかった。


「俺は、どうしても大人やから、みっちゃんが息詰まることもあるかもしれん。それでもよかったら、ここにおいでよ」

こく。

頷いたら、先生はほっとしたように笑った。

めんどくさいところ含めて好きなのは、私も一緒。



「ところで前に、お父さんに挨拶したいから、受験終わったら時間作ってって言わんかったっけ俺」

…言っていた気もする。


「ごめん、ちょっとお父さんの予定わからんからまた帰って聞いとく。あ、でも卒業式は来るって言うてたよ」

「そうなん?俺、来賓呼ばれてねんけど」


えっっ!?!

なんでそんなハピネスなニュースを黙ってたん!?


「そうなんやー!先生、卒業式来るんや!」

「来賓席の一角におる予定やけど」

「写真撮りに行ってもいい!?」

「ええけど、会えたらな。結構バタバタしてるやろし、お前らも大変やろし」


先生と学校で会える。

先生と出会ったあの校舎で、また……。


「あー…なんで泣くん」

うっすらと瞳を覆う涙に気付いた先生が、穏やかに笑っていた。




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コメントありがとうございます。
うれしく読ませていただいています(^O^)
他にも、お名前もらしてたらすみません。すべて拝見しています。
感謝しかありません。ありがとうございます!





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