555.卒業まで二週間

卒業まで、あと2週間。
早々に進路が決まっていた鮎ちゃんと、地元の駅にあるカフェで会った。

鮎ちゃんと一緒にいる時が、いちばんホッとするなー。

4月から鮎ちゃんは、手に職つける系の学校に進学する。
リクもD大に合格したらしく、一人暮らしするらしい。


「みなみは?ここからD大通うのって遠くない?」

「うん~。でも最初はそうするかなぁ…。親も一人暮らしは勧めてこないし…」

「まぁ、家賃とか仕送りとか、結構かかるしな……ってか、葉山のウチ住めばよくない?」


うん…できるならばそうしたい。


「でも、うちのお父さんが……」

「そんなん、親には黙っといたらいいやん。『友達と住む』って言うてさぁ」

「ん~~~?」

そういうとこ、うまくやれる性格ならよかったかもしれないけど。
鮎ちゃんは「ま、アンタにはムリやな」と明るく笑い、ミルクティーを飲む。

「葉山と住んだら、今度は葉山がお父さんになりそう」

「え?どういう…」

「飲み会行っても迎えにきたりー。遅くなったら怒られそう」

ああ~。
迎えには来ると思うけど、怒られたりもするんかなぁ。


「一生生活指導が続きそう」

「私、スカート短いとか言われるん?」

「スカートはいてサークル行くなとか。化粧すんなとか。バイトすんなとか」

「え~。今は特に何も言われへんけどなぁ…」

しかし、完全に「ない」とも言い切れない話に二人で苦笑する。
今は他に出会いがないから言われてないだけかもしれんし…。


「先生はどう思ってるんかなぁ。私は一緒に住みたいけど、そういうことも特に言われへんし…。前は言ってくれてたのに」

「言ってくれへんねやったら、こっちから聞いたら?」

「…ですよね」

鮎ちゃんならそう言うと思った。
携帯握りしめて悩んでる私を見ながら、鮎ちゃんがフッと笑う。

「え?なに?」

「いや…結局、ふたりお似合いやなと思って」

「えーっ、何?照れる!」

「飼い主と犬みたいな絆が」

「……」

犬…。
犬は好きやけど、私が犬やんな。

一応、褒めてもらえたと受け取る。



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