553.プライド

そして、事が終わる。

終わりを迎えた先生に、向かい合ったままぎゅうううっと抱きしめられながら、先生の大きな呼吸を聞く。

この時間が大好き。
ずっとこうしていられたら…と、先生の胸にしがみついていた。


が、ムードなくべりっと剥がされる。


「……帰ろか…」

めっちゃハアハア言いながら、ふらりと立ち上がる先生。

「だ、大丈夫?」

「大丈夫。あーもう、もーこんな時間やんけ。シャワー浴びるヒマないな」

自分の髪をぐしゃぐしゃしながら、床に放り出されたシャツをつかもうとしている先生の背中を見て、つぶやく。

「先生、早めに出さんかったな」

つぶやきを耳にした先生は、着替えながら「なんかプライドが許さんかったというか…」と笑っていた。



ううん。

早く終わらなくて、適当にしないでくれて、嬉しかった。
大事にしてくれてるのが伝わってくると、それ以上に先生を大事にしたいって思う。


しあわせの余韻はまだまだ続いていて、まだここにいたい。
このまま、一緒に眠りたい。

けど、確かにヤバい時間。
いつもならもう、家にいる時間。

シャワーを浴びる間もなく、急いで支度をして、先生の家を出た。


エレベーターで、先生の後ろに立つ。
無防備に下ろされた右手を握ってみた。

気付いた先生は、一瞥した後すぐ前を向く。
すぐにドアが開いて、ぎゅっと手を握り返してくれた。

スロープから、駐車場へ。
空はとっぷり日が暮れて、深い闇。

私の住んでるところと違って、ここは星がきれい。


やっぱり、ここで一緒に暮らしたい。
先生と一緒に。

それ以外、ない。



「歩くの遅い、走れ!」

手をつなぎながら、駐車場を全力疾走。
くだらないけど楽しくて、笑いながら車に乗り込んだ。


もうすぐそこに見えている、私の未来。
4月なんて、もうすぐ。

私が一人前の大人になるまでは、まだいくつもステージがあるけど、全部、先生と一緒がいい。



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