534.今日は返せる自信がある

ドアを開けて、ささっと乗り込んで発進する。
やっぱり、こうして先生に会う瞬間はいつも幸せだ。

「まだ始まってないけど、帰ってきてしまった」
と、運転する先生にお伝え。

先生は、頭を掻きながら、「そうやったん?もうちょっとおればよかったのに」と言う。
いやいや、あんなメールもらって、あのままおれるわけないやん。

じろりと先生を見ると、「…すんません」と謝った。
邪魔した自覚はあるみたい。

でも、リクと話せて私はすっきりしたし、鮎ちゃんも楽しそうやったし、みんなともうっすら話せたし、用件は満たせたし…。


というところでお腹が鳴る。ちょっとジュース飲んだだけで何も食べてない。


「メシ食いに行く?」

「行くっ!焼肉!」

「焼肉な。あっちの筋にあったような…」


同窓会が、急遽彼氏との焼肉デートに変わる。
心配して来たはずの先生は、全然心配してない顔をしてる。

店に着くと少し混んでいたので、私は車内で待ち、先生が名前を書きに行って戻ってきた。30分待ちらしい。
先生はペットボトルのお茶を飲みだした。

「先生、鮎ちゃんがお父さんみたいって言ってたで」

ブーとお茶を吹きそうになる先生。

「俺まだ30やのに…。お前らから見たらオッサンかもしれんけど…」

「うん…」としか言いようがない。


焼肉屋さんの駐車場は一階にあって、建物の陰になっている。
ライトはところどころあるけど、けして明るくはない。

先生の手を握ると、心が緩むようにホッとする。
今日は先生が野獣と化したとしても、エロ返しできる自信がある。

先生は、握った手を外して、私から体を離し気味にして頭を撫でてくれた。
なんかしらんけど撫で方がちょっと雑。

「先生、いたいいたい」

髪、ぐしゃぐしゃやし!
いたいと言ってるのに、先生は無言でぐしゃぐしゃし続けた。
そして睨まれる。

「神崎君としゃべったん」

「ん?しゃべったよ!皐月ちゃんと別れてんけど、やり直したいって落ち込んでた」

「なんじゃそら!」

「いやほんまになんじゃそらやったで」

「あいつ…天罰下るぞ」

未来ある10代男子に対して不吉なコメントを吐く30歳。


「だから…先生が心配するようなことは何もなかったよ。先生こそ、夏休みの同窓会で何もなかったん?」

「……ない」

えっ。今、間ーあった。
私は、先生にのしかかるようにして問い詰める。

「ほんまにぃ?」

「ホンマやけど。何かあってほしかった?」

意地悪そうに笑いながら言われ、「そんなわけないやん!」と先生をはたく。

満足げに笑ってる先生を見て気付いた。
これ、先生のジェラシー返しやな。



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