529.30歳と18歳

「相方は…しばらく見んうちにパワーアップしとるな」

後ろのシートに乗ったままで、ちょっとだけ先生の方に身を乗り出しながら、先生の話を聞く。

私が鮎ちゃんに愚痴ったのもお見通しだったので、次なる言葉が見つからない…。

ルームミラー越しに目が合い、ちょっと隠れてみたら「隠れんな」と即突っ込まれる。そして溜息をつかれる。


「…先生、今日はツレの人と遊んでたん?」

「遊んでたっていうか、前にお子さんが生まれて、祝いの品を渡して、ちょっとそいつと飯食ったんやけど……これ、遊んでるんか?」

「えーっ、赤ちゃん見に行ってたん?いいな!男の子?女の子?」

「女の子やけど……みっちゃん子供好きなん?」

「ううん、普通」

身近に子供がいないため、好きでもキライでもないけど、赤ちゃんはかわいい気がするので見てみたいという浅い答え。

先生もいつもなら「普通かい!」のような、素早い返しをしてくるはずが、今は気まずさが拭えないので無言で運転を続けている。


もう、空き地前についてしまう…。




「同窓会とか、遠慮せんと行ったらいいよ」

と、先生が言った。
怒ってる風でもなく、普通に。


先生の本音が、わからない。
わからないから、何も言えない。

沈黙のまま車内は対向車のライトが当たって、また薄暗くなる。
角を曲がり速度を緩めて、空き地前に到着した。


「はい。到着。忘れもんないか」


あっさりと家に帰そうととする先生。
昨日は激しさにびっくりしながら帰ってきたのに、今日は物足りないなんて、単なる私のワガママにも思えてきた。

もちろん、時間が時間だから早く帰そうと思ってるのはわかってる。


「…先生、昨日と全然違うねんな…」

「アホやな。俺なりの自粛や」とドヤる先生に笑う。



先生は、ちょっと考えながら話してくれた。

「これでも、昨日は嫌われたかなーとか考えたよ。俺も人間できてないから…ちっさい奴やってのはわかったやろ」

「うん」

「即答やん」


なんやろ。
言い訳する先生はかわいいな。

素直に好きって思えるのは、鮎ちゃんのおかげに思う。




この勢いで、先生の(性的な)お元気さや、ムードがありすぎて戸惑ったことも打ち明けた。

すると先生は、無表情でこっちを向く。若干、顔青白い。


「いや、それは言うてくれよその場で」

「…言うてよかったん?」

「いいよ。そういうことは言ってよ。昨日、俺が神崎君のことで怒ったから、嫌になったんじゃなかったん?」

「いやぁ、それもあるけど……」

へへっと笑うと、先生が脱力した。


「その話で相方に愚痴ったと思ってたのに、そっち(性的)の話やったんか…」

「ごめーん!でも、鮎ちゃん、何聞いても動じてなかったから!」

「何聞いてもって、逆に相方に何を言うてん……」

穴があったら入りたそうな先生に、慌ててフォローした。
回数がどうとか、いろいろ話してごめんなさい。


こういう話が面白かった高校時代。
鮎ちゃんにはいろいろと打ち明けたけど、さすがに大人になるとこんな話もしなくなった。

ちなみに、行為が激しくなった理由は、怒ってしまった罪悪感と、私が満足してないように見えたから、ということだった。
それは今もそんな感じで、治ってはいない。




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