528.アホなりの答え

鮎ちゃんが前のめり気味に先生に質問を始める。

「先生も同窓会とかあるん?あ、そこ右でーす」

「あー。あったよ。盆に」


先生は右のウィンカーを出して、平然と答える。

え…
あ…あったんや。
全然聞いてないけど…。

今日のツレの方と会う話も知らんかったぐらいやから、仕方ないのか…。


「うちらも今度あんねんけど、みなみも連れて行ってきていい?」

鮎ちゃんのめちゃかわいい笑顔に、若干先生もデレた感じで答えた(ように見えた)。


「別にええよ(笑) そこはみっちゃんの好きにしたらいいんちゃうの」

そ、そうなん?

好きにしていいんや…。
でも先生、リクに会うのは嫌って言ってませんでしたっけ…。

思いを胸中に秘めながら、無言で二人の会話を見守る。


「そうやんなぁ!?そんなことまで聞かんでいいよなぁ!?そんなに先生、ちっさないよな!?」

鮎ちゃん、最後のは嫌味か?とハラハラしてたら、先生は苦笑し始めた。


「いや…ちっさいよ。どうせみっちゃんに聞いたんやろ。わかりやすいなぁ…」

信号待ち中、先生はちょっと弱った感じで頭を掻き、ハンドルに腕を置く。
「うん、聞いた(笑)」と悪びれずに宣言する鮎ちゃん。


「何愚痴られたん、俺。だいぶ寒いこと言われてんちゃうん。怖いわ」

先生が項垂れながら言う内容がちょっと当たってて、つい鮎ちゃんと爆笑する。

先生は昨日、二人の雰囲気が違ってたことも、きっと私が何か思ってたこともわかってたんやなぁ…。

って思うと、急にキュンっとしてくる、変わり身の早い私。



「あ、ついたー。先生、ここでいいー」

鮎ちゃん家の手前のコンビニ前到着。
忘れ物の確認を終え、車を降りる鮎ちゃんが、ちょっと真面目な顔で先生に言った。

「あのさぁ。あんまりみなみのこと悩ませんといてな。アホやからこの子」

先生は「ああ」と肯定して鮎ちゃんに頷いていた。


アホって言われたけど。
鮎ちゃんに言われると、嬉しいのは何でやろ。
鮎ちゃんにアホって言われたら、大好き!って返したくなるのは何でやろ。

先生が意外とヤキモチ焼きでも、仲直りのエッチが激しすぎたことも。
文句言いながらでも、こうして会いに来てくれて、私の大事な友達にも腹割って話してくれて。

なんか、それでいいんちゃう?と、思えてきた。


「ばいばーい!ありがとう、鮎ちゃん!」

全開の窓から両手を振って見送る。
ありがとうってたくさんこめて。




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