527.先生だったころの面影

先生は「危ないなぁ、こんな夜道に女子二人で…」という感じで登場。
いろいろ思いつめてたはずやのに、鮎ちゃんと一緒に先生を出迎えると、また違った趣があって、ドキドキした。


「わはははは!久しぶり!葉山やぁ!ほんまに来た!」

「呼び捨てすんなよ、コラ。お前が呼んだんやんけ」

鮎ちゃんがいると、完全に昔の先生。
ずっと背中を追いかけてた先生に戻ってて、戸惑っていた気持ちはすーっと消えていく。


この先生が大好きやった。
なんか雑やのに優しくて、声でかくて…。
あの校舎の中で、眉間にしわ寄せて、肩いからせて歩いてた姿が。


「ちょっと外におるのもアレやから、乗るか。一人ずつ送るわ」

「うちまで車で送るほどの距離ちゃうやん」

「いいから乗れ」


先生に言われるまま、後部座席に二人で乗る。私はずっと無言でいた。
今は、彼女じゃなくて、鮎ちゃんとワンセットで扱ってくれるのが嬉しくて懐かしい。

「飲みもんいる?」と、窓から話しかけられて、さっき買ってた鮎ちゃんは首を振り、私だけ頷いた。


「買ってくるわ」

先生は、私と鮎ちゃんを置いて自販機へ行ってしまった。



「葉山フツーやん。でもそんな葉山も二人きりになったら激しいとはな…」

「鮎ちゃんやめて」

「ほんまにエロ返ししたったらいいねん。ジェラシー返し」

「なんか重いなぁ…後者…」

突っ込みつつも、確かに今はフツー(むしろかっこいい)と思いながら、帰ってくる先生を見つめていた。


「ごめん、これしかなかった」とアイスティーを渡されて「いただきます」と受け取る。
先生はコーヒー。
後部座席から見える先生は、めっちゃかっこいい。



しばらく、鮎ちゃんと先生が談笑している。

ツレの人は大学の時の友達らしい。
先生のご家族の話は知っていても、交友関係はほぼ知らない。
会っている時は、私の話を聞いてくれているか、勉強その他。

私は鮎ちゃんみたいに、人に聞きたいことがあんまり浮かばない。
質問されると答えられるけど、たぶん会話はヘタ。
それが私がぼっちである所以なのかもしれない…。(落ちこんでいるので思考が下り坂)


「おい。みなみ、聞いてる?」

鮎ちゃんに肘で突かれて、ハッと我に返る。

「何?元気ないん?」

ルームミラー越しに先生に聞かれて、どきっとする。
二人が、私を心配そうに見ている。

「もう元気出た」

「ほんまかいな」と疑いのまなざしの先生。
「完全にうそやろ」と半笑いの鮎ちゃん。

それぞれに静かに否定され、失笑ムード漂う。


ほんまやねんけどなぁ。
鮎ちゃんと先生といるこの空気は、なかなか味わえない時間で嬉しい。


そんななか、先生が時計を確認して言う。

「もう遅いし、そろそろ送る。こっから行くとどっちの家が近いんやったっけ」

「みなみー。でも私から送って」

鮎ちゃんのご意向により、先に鮎ちゃん宅へ向かうことになった。





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