525.怖気づく高校3年生

「わからん…聞かなあかんのかどうかも…。わからんねん、私……」

鮎ちゃんにそう言われると、自立したがってるわりには自分を持ってないような気がしてきて、情けなくなってくる。
先生のこと好き好きって追いかけてたくせに、自分が思ってた先生じゃなかったからって、軽く引いたりする自分も、どうなん?

「ちょっとちょっと、泣きなや~!そんなに思いつめてたん!?」

「うっ……うううっ……」

「ちょ、店出よ」


これ以上私が怪しい人物になる前に、鮎ちゃんはトレイを持って、私の手を引いて歩き出した。
店を出たところで、くるりと振り返って「電話。」と言う。


「…電話?」

「そう。電話。葉山、今仕事?」

「いや、日曜日は違うと思うけど…」

「電話電話!ちょっとしてみ!」


え、ええ~。
今~?

鮎ちゃんに押し切られるままに、先生の番号を画面に出して、ボタンを押した。

怖い…先生に怒られる気がする…。
って、私いっつも怒られるかどうか気にしてるよな…。

コール音は鳴り続ける。
最後には留守番電話サービスに繋がってしまったので諦めた。


「繋がらんかった…」

出なかった報告をすると、立っていた鮎ちゃんが石段に座った。私もその隣に座る。


「何してるんやあのオッサンは……」

「オッサン言うのやめて」

涙声で先生を庇いながら、涙をごしごし拭く。
隣で、鮎ちゃんが話し出した。


「葉山とまだつき合い始めのころ、車3人で乗ったの覚えてる?」

「うん…ファミレス行った時?」

「そう。あの時葉山、『俺のことでしんどそうにしてたら、すぐ電話するように川田に言うたってほしい』て頼んできてん」

だから、電話するように言ったんや。

「葉山は先生じゃなくなったし、もう私の出る幕もないと思ってたけどなー。しかし元気よなぁ葉山も。高校生ばりに」

「うーん…先生しか知らんから、比較はできひんけど…」

「いやいやすごいすごい」

昨日の出来事を洗いざらい話し過ぎたせいで、先生は鮎ちゃんに元気な人(性的に)認定されてしまってちょっと心苦しい。


そんな話をしてる間に、先生からの着信が来た。
はよ出ーやーと鮎ちゃんが促す。

「も…もしもし」

『どうしたん?』

週1回程度の電話はいつも、先生から掛かってくる。
話す時間ももっと遅いから、何かあったのかと思ったみたいで怒られはしなかった。
しかもこんな赤裸々に(回数まで)鮎ちゃんに話してしまってて、申し訳ない。

「あ、あのな。今、鮎ちゃんと遊んでて、帰るとこで」

『相方おるん?』

「あ、うん、おる…」

ちらりと鮎ちゃんの方を見ると、鮎ちゃんは右手を差し出して、「代わって。」と言った。





にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ

  恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛
  恋愛ブログ 秘密の恋愛