524.けしてノロケではない

翌日の日曜日の夜。

鮎ちゃんが、しらっとした目で私を見ながら、コーラLサイズのストローを咥えている。
毎度おなじみの地元のファストフード店。

もやもやは続いていて、夜ちょっとだけ鮎ちゃんに話を聞いてもらうことになり、待ち合わせた。

でも、鮎ちゃんの表情は若干うんざり色。


「なんやろ、その話、なんかデジャヴ……」

「え?」

「そんなようなことリクん時も言うてなかったぁ?」

え、リク?

「ん~…言うてたっけな?」

「言うてたやん。みなみ、発情期のオスが怖いって。しかもそれでリクのこと冷めて別れてたやん」

…言うてたな。
え、でも発情期の括りに入れるのは、ちょっと先生に申し訳ない。


「ちゃうねん、たぶん…先生を怒らせたのがあかんかってん。リクのことで…」

「葉山も、体でかいのに心はちっさい奴やなぁ」

「ちょっと!鮎ちゃん!話の聞き方雑じゃない?」

私が憤慨すると、テーブルにだらしなく肘をついていた鮎ちゃんがにやりと笑った。


「なんかノロケにしか聞こえんくてな」

「うそやん!ノロケなん!?これ!完全に相談やってんけど!」

「ジェラシーでちょっと激しくヤッてもただけやろ~。そんなこともあるやろ~」


そんな簡単な感じで捉えていいのか…?
鮎ちゃんに話すと全然大したことないような気がしてくる。


「鮎ちゃん、大人!」

私の掛け声に、気を良くした鮎ちゃんはフフンと笑う。


「よう聞いて、みなみ。葉山もただの人間やってことや。しかも精神年齢はリクと変わらんってことや」

「うそやぁ!!」

「うそちゃう。激しい時は激しく返したったらいいやん。なんかそこ負けたないやん」

「ギャー!鮎ちゃんエロい!」

「エロ返ししたったらええねん」

「エロ返し…!」

だんだん周りの人に聞かれてはいけない内容になってきて、小声になる。
そこで鮎ちゃんが話題を変えた。

「まあええわ。そういえば、今度中学の同窓会やるらしいで」

「あ、そうなん?」

今ほどSNSも普及していなくて、LINEもそこまで盛んでもなく、同窓会のお誘いは電話かメール。友達も鮎ちゃんとしか連絡を取ってない。

今まで何度か同窓会もあったのかなと思っていたら、今回が初めてになるらしい。

「みなみ、行く?」

「あ~……」


鮎ちゃんが行くなら、行きたいけど。

リクは来るんかな。
リクと会ったら、先生怒るかなぁ…。

でも、そういう遠慮をした方が怒りそうな気もするし、うーん…。


「どうしよう。先生に聞いてみようかなぁ…」

「え?そんなんまで葉山に聞かなあかんの?」

何気ない言葉がぐさーっと刺さる。





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