509.それでも一緒にいたい

高1の夏前には、私がリクにフラれた時に、ここで先生と二人で話をした。
といっても、鮎ちゃんを待つ私と一緒にいてくれただけ。

あれから2年も経ってるけど、あの時のこと、今も思い出せる。

でも、あの時リクを好きだった気持ちだけは、リアルには思いだせない。

今、私の中にはもう先生がいてて、大きい大きい存在で。
これから先生以外の人とどうにかなるなんて、私にはもうありえない。



白いベンチに皐月ちゃんと座った。
夕方でも、じりじり太陽が照りつける。

あまりに紫外線が熱いので、「日差しきっつ!」と言ったら、皐月ちゃんがちょっと笑った。
紫外線にもツッコミを入れてしまう性。

へへへ…と笑うと、皐月ちゃんは唇を噛みしめて、顔を歪ませて俯いた。



「ごめん……みなみちゃん。ごめん……」

「ううん。」


何が「ううん」なのかわからんけど、もしかして皐月ちゃんも同じ気持ちかなと思ったら、ううんとしか言えなかった。

皐月ちゃんは、サブバッグのキーホルダーを見て、泣いていた。

キーホルダーいちいちつけて、あざといねん!って思われたらどうしようとも思ってたけど、やっぱり皐月ちゃんはそういう子ではなかった。


私は皐月ちゃんとの間に感じた友情は、なかったことにはできない。

皐月ちゃんが優しくしてくれたことも、私の記憶に残ってる。

「仲直りできんかったらそれまでや」
って、あっさり言い放つ先生に実はイラっとしたりもしてた。



皐月ちゃんとは、終わりたくない。

でも、皐月ちゃんが私のことキライやったら、それまでで。




気がつけば、鼻たらして、顔ぐしゃぐしゃにして泣いてたのは私の方だった。
皐月ちゃんも真っ赤なウサギのような目をして、二人で泣いた後は顔を洗いに行った。


「はあ……めっちゃ泣いたなあ」

皐月ちゃんの方から話しかけてくれて、私は全力で鼻をかみながら頷いた。

「私は、皐月ちゃんとしゃべれて嬉しい」


ドキドキしながら、本心を伝える。


皐月ちゃんは、笑顔で頷いて、「私も」と目を潤ませる。




二人で、泣いて、謝って。
理由とか、言い訳とか全然なくて、ただ一緒に泣いただけの仲直り。

それでも皐月ちゃんがまだ、私と一緒にいたいと思ってくれたことが、私を切り捨てないでいてくれたことが、嬉しかった。



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