507.もうひとつの恋

もちろん、私はこの中での女子的な力関係は3番手。

そんな中、さっちんが鮎ちゃんに質問する。

「違ったらごめんやねんけど、鮎川さんてZ高の諒くん知ってる?」

「諒くん……?ああ。たまにメール来てるかなあ。最近はないけど」

鮎ちゃんはさほど興味もないといった様子で、パンをかじりカフェオレを飲む。
さっちんは「やっぱりつながってるんや」みたいな顔をして、鮎ちゃんに身を寄せる。


「あの子、うちの彼氏の友達やねんけど、鮎川さんのことめっちゃかわいいかわいい言ってて…よかったら一回、会ったげてくれへん?」

ソワソワしながら、二人のやりとりを見る私。
鮎ちゃんは、明らかに眉間にしわを寄せた。

「え~。行きたないな~。知らん男子と二人って嫌や」

即答。

心なしかさっちん、しょんぼり。
しかしその後すぐに立ち直り、提案した。

「じゃあ、私も行く。みなみも行こうよ」

「えっ!?嫌やあ」

あっ、私もつい条件反射で…!

いやでも、そんなヒマあるなら私、勉強か先生に会いに行くかしたいわけで。
私の身も蓋もない返事に鮎ちゃんがくくっと笑い、さっちんに答えた。

「…まぁ、一回ぐらいならいいけど。でも、ホンマに諒くん行きたがってんの?」

「ホンマホンマ!ありがとう、鮎川さんにメールしときって伝えとくわ」

鮎ちゃんの顔には「めんどくさいことになったな」と書いていたけど、諒くんはまあまあいい子のはず。

…これで鮎ちゃんがナカムーのこと忘れられたら、なんて思ってないけど。
なにか、いいつながりができればいいなぁと願った。



昼休みが終わるころ、さっちんと私は教室に戻る。

「鮎川さんってかわいいよなぁ…じっと見られたらドキドキするわ」

そんなさっちんの乙女心に苦笑。
私もそんな時もあったかもしれんけど、今は鮎ちゃんがオッサンに見える時もだいぶある。

「諒くん、鮎ちゃんのこと好きそうやったもんなあ」
と私が言うと、さっちんの目の色が変わった。

「みなみも知ってたん!?諒くんの初恋、成就したらいいなぁ」

「へえ、初恋なんや…」

「うん。Z高内ではそう言って盛り上がってるらしい」

ずっと男子校育ちの諒くんの恋を応援している模様。
聞けば聞くほど、鮎ちゃんドン引きしそうなノリやけど…。


鮎ちゃんはやっぱりモテる。

そんな鮎ちゃんのこと、ナカムーは本当はどう思ってるんやろう…
と思わずにいられない、昼下がり。



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