483.ヤバい奴

リクの言葉に、固まった。


深く考えない子だからと言って、ちょっと甘く見過ぎていた。
皐月ちゃんに何か聞いたのかもしれないし、鮎ちゃんからの情報流出だってあり得る。幼なじみやもん。


それとも…
…本当は、ずっと前から気付いてた?



無言のままフリーズしてしまった私に、リクの方から沈黙を破った。

「困らせたくて言うたわけちゃうねん。みなみがタカノリ先生好きなんも知ってたから。……でも、うまく行ったって聞いたら、ないわ~…て」

「…何が"ないわ"?」

「みなみが30の人好きでもええねんけど、30のオッサンが、女子高生好きになるって…もしほんまに好きやとしても、俺からするとかなりヤバい奴」

ヤバい奴て…


いろいろ反論したい事はあったけど、深呼吸して質問する。


「……それさ。誰から聞いたん?鮎ちゃん?」


ほぼほぼ鮎ちゃんだろうと思ってはいたけど、リクは「そうです」と答えた。

鮎ちゃあん!何してくれてんの!


「……鮎ちゃんは、何て言ってたん」

その質問には、リクは答えない。



ないわ~だとか、ヤバいとか。
言いたい放題やん。

私が先生をどれだけ好きか、先生もどれだけ罪悪感を抱いていたか、いっぱい我慢して、意味のわからん一線を引いて、苦しんで。

リクなんか、何も知らないくせに、何も見ていないくせに、ちょっと情報小耳にはさんだだけで好き勝手言って、お前何様やねんコラ!(巻き舌)


私が全くしゃべらなくなったので、リクも黙ってしまったまま、特急はD大前駅に到着した。
乗客は大学生や、私たちと同じような感じが多くて、ぞろぞろと改札への階段を下りていく波ができていた。



ホームに下りたら、リクは叱られた仔犬のような目をして、私を見つめる。


「そんな怖い顔すんなや…」と怯え半分のリク。

「…誰が怖い顔させてんねん(コラ)」

「みなみ、めっちゃ顔怖い」


きっと今私、先生の鬼の形相ばりに怒った顔してる。




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