612.甘いキス

「すでにプレゼントのネタ尽きてきたけど、今年はこれで」

と言いながら先生が私の手に乗せたのは、小さな包みに四角い箱。
先生が好きなブランドのロゴが入ってる。

「ありがとう!!わー、何やろ?ここで開けた方がいい?」
「何やその聞き方(笑)ええよ、開けて」

ドキドキしながら開けると、腕時計だった。
ちょっと大人っぽい、お姉さんな感じの。

「お前いつも時計してないから、どうなんかなと思ったけど」
「ありがとう、きれい!毎日つける!でも高そう…」
「値段は気にする必要ないな」

えー、そう?
大人はお金持ちやなあ…。

箱から取り出してつけてみた。
先生に腕を見せると、ふっと微笑んでくれる。

「なー、似合う?」
「うん。ええやん。似合う」

似合うかな?
可愛いけどすごくお上品。

こんなに大人っぽいのがしっくり似合うまでには、まだ少しかかりそうやけど…。
その頃まで、一緒にいられるかな。

「じゃあそろそろ帰るか。シートベルトして」

先生の声かけではっと現実に戻る。
誕生日が終わる。

「なんか今日の部屋の中でのことが、夢やったみたいな気がする」
「…わからんでもないなぁ」

いつもは「夢なわけないやろ」などと超現実的な回答をいただくのに、私と同じように頷いてる先生に笑った。
少しずつ似てきてるのかな。

シートベルトをつける前に、先生の腕を引っ張った。

「ん?何?」

やっぱり、毎回帰りは名残惜しくて。
先生の頬にキスをして、少し立ち上がって唇にキスをする。

仕方なくなのか、乗り気なのかわからないけど、先生も私のキスに応えてくれる。
さっきのケーキの甘い味がして、幸せな気分になった。




お久しぶりです(^O^)
拍手コメを先日一気に読ませていただきました!
ご心配おかけしてごめんなさーい(;´Д`)

ちょっと忙しくしてまして、ブログを全然触れなくて、そうこうしているうちにあれよあれよとコロナ禍になってしまい…。
みなさんお元気でしょうか?
個人的には志村けんさんのことが今でもとても悲しいです。

そんな感じですが、今後ともよろしくお願いします。
みなみでした!






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